背景布(バックドロップ)とは、写真撮影や動画撮影において、被写体の背景を覆うための大きな布や紙、パネルなどの素材のことを指します。被写体とその後ろにある背景を隠すか、装飾的な背景を演出する役割を果たします。
被写体を引き立たせるためにシンプルな背景を作り出すことや、撮影のテーマや雰囲気に合った装飾的な背景を演出することができます。さまざまな色や柄、素材があり、撮影の目的やコンセプトに応じて選択することができます。
表現力を上げるなど用途の広いバックドロップについて、ここではどういう効果があるのかをお伝えしていきます。
被写体の引き立て
バックドロップを適切に選ぶことで、被写体を際立たせることができます。明るい色やコントラストのあるデザインのバックドロップを使用すると、被写体がより目立ち、視線を引き付けることができます。
雰囲気やテーマ性の演出
バックドロップの色や模様を変えることで、写真の雰囲気やテーマ性を演出することができます。例えば、柔らかい色調のバックドロップを使用すると、優雅でロマンチックな雰囲気が生まれます。鮮やかな色のバックドロップを使うと、活気やエネルギーが感じられる写真になります。
背景のブラー効果(エッジやシャドーの隣のピクセルを明るくする)
バックドロップを被写体から離して配置し露出を変え絞りの数字を小さくすることで、背景がぼかされるブラー効果を生かすことができます。これにより、被写体をより際立たせることができます。
プロップとしての利用
写真撮影や映画、テレビ番組などで登場人物が使用したり持ったりする小道具や装飾品のことをプロップと言います。
バックドロップは単に背景だけでなく、プロップとしても利用できます。
例えば、写真のテーマに合わせてテキスタイルや装飾的なバックドロップを使うことで、写真全体の雰囲気を一層強調することができます。
シンプルな背景作成バックドロップを使用することで、シンプルな背景を簡単に作成することができます。被写体に集中させるために、不要な要素を隠すなどの効果的な使い方ができます。
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バックドロップは写真撮影において重要な役割を果たす要素であり、被写体とバックドロップの相互作用によって写真の表現力や魅力を向上させることができます。バックドロップの選択や配置には注意が必要ですが、上手に活用することでより素晴らしい写真を撮影することができます。
バックドロップ(背景布・バック紙)の設営手順
①バックドロップスタンドをセットアップします。スタンドを広げ、高さを調節して固定します。
②バックドロップをスタンドに引っ掛けるためのクランプを準備します。スタンド上部に設置します。
③バックドロップの端をスタンドに固定するために、バックドロップクリップを使用します。バックドロップの端をスタンドのクランプに挟み込み、しっかりと固定します。
④全体にしっかりと張られていることを確認します。たるんでいる部分がないように調整します。スチームアイロンが使用できる素材はアイロンをかけしわを取ります。アイロンが無理な場合はテープでひっぱるなど工夫します。
⑤カメラ側はひっかからないように、養生テープなどで固定します。
⑥撮影の準備が整ったら、被写体とバックドロップの間に適切な距離を取り、撮影を始めます。
バックドロップは撮影の背景以外での用途もあります。
撮影スタジオで目隠しとしての利用撮影スタジオでは、バックドロップを壁面や機材を隠すために設置することがあります。余分な物を写しこませない効果で被写体を引き立たせて、スッキリとした撮影空間を作ることができます。
カーテンやドレープとしての利用バックドロップは一時的なイベントや写真撮影の際にカーテンやドレープとしても活用できます。美しい色やデザインのバックドロップは、会場や撮影現場のインテリア要素として活用できます。また、いらない日差しを遮る効果もあります。
グリーンスクリーンやzoom会議の背景としてグリーンスクリーン、クロマキー用バックドロップと呼ばれる緑色の背景布は、特殊効果やCG合成のために使われます。撮影時に緑色のバックドロップを使うと、後から異なる背景を合成しやすくなります。映画やテレビ番組、広告などでも頻繁に使われていてリアルな演出を可能にします。
それだけではなくZoom会議の背景に利用することでバーチャル背景をはめ込みしやすくなります。
バックドロップを使うことでこれまでと一味違う写真が撮れるなど効果が沢山あることは理解していただけましたでしょうか。 元々バックドロップを常備してあるスタジオを一度利用して試しに使ってみると新しい表現の手段が見つかる事間違いなしです。是非チャレンジしてください。
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執筆:森川ゆみ子
日本写真講師協会(JPIO)認定講師/写真家
個人事業主様、企業様の商品イメージの撮影、サロン撮影プロフィール撮影などと並行して企業研修や写真撮影セミナー、撮影に関するコンサルティングを行っている。
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