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【セリア VS エネループ】単3乾電池でストロボが何回発光するか? 試してみた

Posted by staff6 on 2022年12月7日
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スタジオや自宅、取材先などでさまざまなストロボを使いわけている方も多いでしょう。そして、意外と登場回数が多いのがクリップオンストロボ。最近ではリチウムイオンバッテリーの機種も増えているようですが、単3形乾電池のクリップオンストロボを愛用している方も多いのではないでしょうか? 

筆者もそんなひとりです。そして、ふと気になったのが、エネループと100均のニッケル水素電池でどのくらい発光回数が違うのか? 単純に知りたくなったので、実際に発光させて比べてみました。

目次

新品のエネループを購入したので比べてみた

セリアのニッケル水素充電池VSエネループ

最近では専用のリチウムイオンバッテリーを搭載しているクリップオンストロボも多いですが、筆者はいまだに単3形乾電池を使用するものを愛用しています。電源の汎用性が高くサブなどとしては便利なので、意図的に使っている方も多いのではないでしょうか。

 

そして、そのバッテリーとしては、ほとんど考えることなくパナソニックのエネループを使用しています。仕事用としては、過去に使った実績と安心感からまったく不満もありません。

 

使っているのはエネループのなかでもスタンダードなBK-3MC。きっと多くの方も同じように愛用しているでしょう。筆者が知っている限りでは、ネットなどで探しても4本パックで1,100円前後。1,100円を切る価格なら激安といってもいいでしょう。そのため1本当たりの価格はだいたい275円程度。

 

充電池としてのスペックは1.2Vの1900mAh。大きな特徴としては2100回程度くり返し使えるといわれています。また、筆者が知る限り、ニッケル水素充電池のスタンダードであり、圧倒的な安心感があります。

 

ちなみに筆者はエネループはほぼ毎回コストコで購入しています。単3形8本、単4形4本に充電器のセットで3,380円と、セット販売のため正確な1本当たりの値段はなんともいえませんが、非常にコスパがよくおすすめです。もしかすると、筆者がもっともコストコでリピっている商品のひとつかもしれません。

使用頻度であったりとか、仕事で使うことであったりと、筆者の場合のエネループの1本当たり約275円に不満があったわけではありません。しかし、筆者はさまざまな媒体で記事を書かせてもらっているのですが、かなり100均好きです。そのため、セリアで売られている1本100円の(株)武田コーポレーションの充電式ニッケル水素電池「VOLCANO NZ」に非常に興味があったのです。

「VOLCANO NZ」単3形の電池性能は1.2Vで1300mAh。電池容量でエネループ BK-3MCの約68%です。しかし、価格は約1/3。エネループ BK-3MCにかなうわけはありませんが、実際のところ、どのくらいの回数クリップオンストロボを発光させることができるのか? それはエネループ BK-3MCに比べて、どのくらい少ないのか? などが知りたくて、エネループの新品を買い足したタイミングで比較してみることにしました。

YONGNUO SPEEDLITE YN560 IIIで発光テスト

同条件で同じストロボをワイヤレス発光させて比較

筆者もそうなのですが、多くの方がクリップオンストロボといっても、2灯所有していて、ワイヤレス発光で使っているのではないでしょうか? すると、実際の使用でも2灯を同じ条件で発光させていると、古い電池を入れた方が、先のチャージが遅くなったり、電池が切れたりするわけです。
 
筆者は可能な限り同じ組み合わせの4本をひと組として、使用や充電をいっしょに行っているので、同じエネループでも、チャージの時間が長くなったり、電池切れが早くなったりしたセットは、ストロボ用としては卒業させ、テレビのリモコン用などに使うようにしています。
 
同じエネループでも電池状態がわかるほど、ワイヤレスストロボによる同時発光は電池性能にシビアなので、筆者はYONGNUO SPEEDLITE YN560 III、2灯にそれぞれ新品で満充電したエネループ  BK-3MCとVOLCANO NZを入れて、1/1フル発光で発光回数と発光チャージの様子を観察してみました。

最初からリチャージ時間はエネループの方が早い

実際の撮影の時と同じようにエネループ  BK-3MCとVOLCANO NZを入れたYONGNUO SPEEDLITE YN560 IIIを2灯、1/1フル発光させていきます。

一度目の発光からわかったのですが、エネループ  BK-3MCを入れたYONGNUO SPEEDLITE YN560 IIIよりもVOLCANO NZを入れたYONGNUO SPEEDLITE YN560 IIIのほうが、発光後再度発光可能になるまでの時間リチャージ時間がわずかに長くかかります。

これは、満充電から発光を開始した直後は1秒に満たない程度の差だったのですが、発光を繰り返すうちに、差が広がっていきました。正確に測定したわけではないですが、最終的には数秒の差になります。

そして、気になる発光回数ですが、念のため同じ電池で2度ほどテストしたのですが、下記のとおりです。

 

VOLCANO NZ 約140回

エネループ  BK-3MC 約200回

 

エネループ  BK-3MCを100とすると、VOLCANO NZが70程度ということになります。

VOLCANO NZの電池容量が1300mAhに対してエネループ  BK-3MCが1900mAhなので、ほぼ容量比どおりの結果といえるでしょう。

リチャージにかかる時間について、気にされる方もいるでしょうが、フル発光の場合ストロボの温度が上がるなどの原因で、連続発光できなくなることもあるので、さほど気になることはない印象でした。

まとめ

予備や自宅スタジオなどならVOLCANO NZにありかも

実際にストロボに入れて、わざわざ発光実験までしたので 、もっとおもしろい結果が得られることを期待したのですが、結果はとても普通でした。

エネループ  BK-3MCのほうがリチャージ時間が短く、電池容量が大きい分、発光できる回数も多い、ある意味スペック表どおりの差があったといえるでしょう。

エネループ  BK-3MCとVOLCANO NZの価格差は2.8倍程度。しかし、電池容量は約1.4倍程度なのでVOLCANO NZはとてもコストパフォーマンスの高いニッケル水素充電池といえるでしょう。

ただし、筆者が取材などの出先の仕事でVOLCANO NZをメインで使うことは、まずありません。継続的に安定した性能を発揮してくれることがわかっていないニッケル水素充電池に頼って仕事をするのはリスクが高すぎるからです。とはいえ、例えば、いままでエネループ  BK-3MCを2セットに、予備のアルカリ乾電池1セットを持って行っていた取材にアルカリ乾電池の代わりにVOLCANO NZを1セット持っていくのはありでしょう。

また、どのくらい充放電を繰り返しても使えるのか、などを含め耐久性や安定性を確認するために、自宅スタジオでの撮影といった予備の電池や機材がいつでも用意でき、再撮影なども簡単な条件でしばらく使ってみるのもありだと思っています。

メインのニッケル水素充電池を信頼性と実績のあるエネループから変えるつもりはありませんが、耐久性や安定性、信頼性がなくても問題のないシーンなら、コストパフォーマンスの高いニッケル水素充電池VOLCANO NZを試してみるのはありでしょう。

ハウススタジオの利用が初めての方はこちらの記事も参考にどうぞ

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執筆:齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

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