モデルを使ったアパレル・ファッション撮影やイメージシーンの撮影などでも室内の雰囲気を出したい場合はハウススタジオや自然光スタジオを使います。
また一般の方向けのモデル撮影会などでも雰囲気の良さや利便性からハウススタジオでの撮影は需要が高まっています。
シンプルに背景のいらないモデル撮影の場合はホリゾントスタジオを選ぶ場合もありますが今回はハウススタジオに絞ってロケ場所選びのコツをお伝えします。
最近増えてきているマンションタイプのスタジオなどでは、人数制限を設けていることがあります。モデルさんを含めて撮影者、スタイリスト、ヘアメイク、ディレクターなどスタッフをいれると何人になるのか先にカウントしておきましょう。
商用利用なのか個人撮影なのかでプライスが分かれていて撮影内容にあわせて選べる場合もあります。
その場合は利用目的をきちんと申請しましょう。利用目的によって入室人数が変わる場所もあります。
いざ!モデルを連れて行ったものの控室がなくて困ったというケースがあります。ネット情報では控室があったのに、今は物置になってしまっている・・・なんていうスタジオもありますので、できればロケハンの時に控室と着替えの場所をチェックしておきましょう。
誰かがメイクをしていたら狭すぎて着替えができないといったスタジオもあります。そんな時は別室があるのか、なければ簡易の着替え場所を確保できるかなど管理人と相談しておくと万全です。
また撮影の打ち合わせを控室でするとか、クライアントの待機所にするなどモデルさん以外の利用がある場合も充分なスペースが確保できるスタジオなのか確認が必要です。
部屋が狭すぎた。椅子や机が足らないといった事がないように気を付けておきましょう。
モデル撮影でメイクルームを使ったところ鏡は小さな手鏡だけだったという経験があります。アパレル・ファッション系の撮影だと全身が映る鏡がないと確認できないことが沢山あります。メイクも小さな手鏡だととても難しいので良い仕上がりのためにもしっかり確認をしておきましょう。
さらにヘアメイクやスタイリストがはいるような撮影になると、ハンガーラックや姿見、ドライヤーとアイロン用の電源が必要になります。
コーディネートの色合いのチェックをするためには色がきちんとわかる昼白色の蛍光灯もしくはしっかり自然光の入るお部屋が1つは必要になります。
とても良いイメージでおしゃれなハウススタジオだけど電源が少ないとか、電球色しかないとなるとクオリティの高い仕上がりが難しくなってきます。
衣装を複数持ち込んだ時にハンガーにかけてつるしておくと撮影がスムーズにいきます。
意外と足らなくなるのはハンガーです。数があるのかないのかなければ持参しておきましょう。
全身が映る鏡があるかどうか。コーディネートはバストアップを撮る場合でも全身を映してチェックする方が完成度が高まります。着替え場所と撮影場所に2枚あるとなおベストです。ない場合は移動して対応しましょう。
スラックスやシャツはアイロンでぴしっと。ニットなどはスチーマーで仕上げると柔らかくと使い分けができるといいですね。アイロンはあるけどアイロン台はないです。というスタジオは意外と多いです。
ドライヤーやコテ、くるくるドライヤーまでそろっているスタジオもあります。
逆にまったく準備されていないこともあるので在庫は確認しておきましょう。
上の備品を使う時に延長コードがなくて困ったこともありました。ロケハンをしっかりしておいて足らないものは持ち込むようにしましょう。
ロケハンでは昼食の場所や飲み物、ちょっとしたお菓子などの買い物ができるかも確認しておきましょう。
ケータリングサービスがあるのならその価格帯も要チェック。クライアントやモデルによっては飲食の予算が決まっていることもあります。
遠方からやってきたモデルが小腹が減って途中で疲れてダウンしてしまった。なんてことがないように飲み物やお菓子などを用意しておくと良いですね。
以前ベジタリアンのモデルさんがいらっしゃってランチオーダーに困った経験があります。メニュー内容をしっかり見ておけば良かった!その後は買いに走り回りました。
気軽に現地集合にできる都心型のスタジオに比べて郊外型のハウススタジオは駅からの距離が遠いことがあります。
バスが1日数本しかない、タクシーでないと行けないといったような交通の便があまりよくない場合は、現地集合を避け、まとまって移動するなど工夫が必要です。
途中で帰りたい。撮影の後に用事があるという時に対応できなくなってしまわないように、帰りの経路もチェックして前もってモデルさんへお伝えしておきましょう。
緊急の時にスタジオからタクシーが呼べるかどうか、その場合は直接タクシー会社なのか、管理人が対応してくれるのかも聞いておきましょう。
一般の方向けのモデル撮影会やコスプレーヤー撮影も同様で、交通の便は大きなチェックポイントになります。撮影がスタートしてからも交通の問い合わせに追われるという事例を目にしたこともあります。
スタジオのホームページなどを利用し、わかりやすい案内を用意しておきましょう。
モデルの入る撮影の場合は人数が多くなりますのでその分何か起きるかわからないところがあります。急に何かが起こった時に、ちょっとした買い物ができるか否かで撮影が円滑に進むかどうかが変わってきます。
例えばモデルが靴擦れをおこしてしまってば応急処置がしたい。
ストッキングが伝染してしまって買いに行きたい。などはよくあるトラブルです。
ロケハンの時間の許す限り周辺情報の確認や緊急の場合の対応法を管理人に聞いておくなど準備しておきましょう。
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執筆:森川ゆみ子
日本写真講師協会(JPIO)認定講師/写真家
個人事業主様、企業様の商品イメージの撮影、サロン撮影プロフィール撮影などと並行して企業研修や写真撮影セミナー、撮影に関するコンサルティングを行っている。
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