ハウススタジオ、撮影スタジオの手配は何よりも段取りが肝心。スタジオ選びを任されたときにスムーズに手配できるよう、スタジオ探しから撮影後までの流れに沿ってポイントを解説します。
スタジオ撮影は文字通り屋内での撮影を意味し、天候に左右されることなく撮影できるのが何よりものメリットです。ウェブサイトやECサイト、カタログ、パンフレット、雑誌などに掲載する商品撮影をはじめ、ホームページ用や宣材写真として利用するポートレイト撮影など、幅広く撮影ニーズに応えることができます。
ハウススタジオ・撮影スタジオは、初めての利用でも借りられるところがほとんど。出版社やテレビ局、制作会社などと関係なく一般のユーザーでもレンタル可能です。
どのような撮影現場においても撮影当日はやることが盛りだくさん。慌てないためにも、撮影の全体像を理解してから準備を進めましょう。
具体的なステップには撮影内容の確認、スタジオ探し、ロケハン、仮予約、本予約、撮影などがありますが、それぞれの工程には撮影をスムーズに行うための要点がぎゅっと詰まっています。まずは撮影内容の確認から、ご紹介します。
撮影が決定したら、どのような写真や映像を撮影するのか情報を集めます。依頼者への確認事項は次の通りです。
●撮影の目的
宣伝、広報、ブランディング、作品など目的によって撮影内容は変わる
●写真内容
何を撮影するか、人物の有無など基本的なこと
●写真のテイスト
イメージなのか、具体的な説明なのか、複数のサンプルがあればベスト
●カット数
どのようなカットが必要か、撮影予算に関わる部分なので要確認
●写真の使用条件
仕様媒体と掲出場所、使用期間など、モデルを撮影する場合は必須の確認事項
●特別事項
立ち合いの有無、機密保持など
●予算・納期
デザイナーやディレクターが撮影一式を手配する場合は、フォトグラファー、スタイリストなど撮影内容に応じたスタッフを揃え、モデルをキャスティングします。料理撮影がある場合は、フードコーディネーターなど料理の対応可能な人に依頼します。
撮影内容の確認は、あとでスタジオ探しの際にも重要なポイントとなります。初回のヒアリングでは撮影内容が未確定なことがあったり、聞き忘れがあったりした場合は改めてヒアリングを。予算や納期、写真の使用条件など重要な項目は撮影全体に関わることなので必ず確認しましょう。撮影内容の情報が集まったら、次はスタジオ探しを進めます。
予算、カット数、フォトグラファーや撮影スタッフをはじめとする関係者の人数など、様々な条件にあったスタジオを探します。クライアントや代理店の担当者らが立ち合うときは、撮影スタジオの定員にも注意が必要です。
またスタジオ選びの際には、ヒアリングで確認した撮影内容に応じてスタジオの大きさや天井の高さ、自然光の有無などの条件を要チェック。自然光で撮影する場合は、時間帯と光の入り具合をスタジオ側に確認しておくことをおすすめします。
ハウススタジオは、あらかじめ家具や小道具が揃っているところが多いので、それが撮影イメージと合うかどうかを検討する必要があります。この他、モデル撮影の場合はメイクルーム・控室の有無とそれらの使用料金も必ず確認してください。
スタジオのレンタル料金に関しては、多くのスタジオでは使用料が1時間単位で表記されていますが、それは1時間だけレンタルできるという意味ではありません。3時間以上など最低使用時間が決められているので、最低使用時間以上の料金が発生します。また撮影が長時間にわたる場合は、セット料金や1日料金の設定などがないか問い合わせてみましょう。
スタジオの候補がリストアップできたら次はロケハンです。スタジオのホームページの情報だけで判断せず、可能な限り実際のスタジオ内の様子を確認するのがおすすめです。
ロケハンとはロケーション・ハンティングの略で、スタジオを見学する場合もロケハンと言うことが多いです。ハウススタジオや撮影スタジオを決定するための重要なステップですので、見学した際には撮影スペースの全体がわかるように写真を撮っておきます。
スタジオ全体をくまなく見ていくと「あのカットはここで撮る」などがわかってくるので、実際の撮影イメージと同じようなアングルで写真を撮影しておくのがベスト。自然光で撮影する場合は、できる限り実際に撮影する時間帯にロケハンし、光の向きを確認します。
また商品撮影や家具の搬入などがある場合は、エレベーターの有無、搬入口のサイズ確認、商品の保管場所の確認なども欠かせません。
予約する意向がある場合はスタジオをキープ(仮予約)しましょう。ただし、仮予約したスタジオを選定しなかった場合や撮影日の変更などで予定が変わった場合は、スタジオに連絡してキャンセルを申し入れます。
一方、仮予約から自動的に本予約に切り替わるスタジオも多いです。キャンセル連絡を怠ったばかりに、本予約に切り替わってキャンセル料を請求されるというトラブルが起こる可能性もあります。また、そのスタジオに後から本予約が入った場合、キープ(仮予約)は無効とされて本予約が優先されてしまいます。
そうした事態も踏まえて、仮予約後は早めにスタジオを決定し、仮予約のキャンセルにしろ、本予約にしろ、速やかに連絡を入れることが大切です。
本予約とは予約の確定を意味するので、本予約後の予約取り消しにはキャンセル料がかかります。
本予約の注意点は、スタジオに入ってから完全撤収するまでが使用中としてカウントされるので、予約時間を十分に検討することが重要です。多くのスタジオでは、退出時間が遅れると超過料金が発生し、予定より早く撤収しても予約分の料金を請求されます。
本予約後に「使用確認書」を取り交わす場合があります。書類が送られてきたら必要事項を記入して返信しましょう。
≪スタジオ入り≫
撮影に備えて、スタジオの住所、スタジオ名、入り時間、予約者名は、撮影関係者に周知しておきます。最近は無人管理のハウススタジオが増えているので、スタジオの入り方や利用方法は事前に確認しておくのがベストです。
≪撮影準備≫
スタジオはキレイに使用し、現状復帰して退出するのがマナーです。特にハウススタジオで備え付けの家具や小物を移動させる場合は、撮影終了後に元の状態に戻す必要があります。家具や小物の配置など何がどこに置いてあったかを把握するためにも、入室時に写真を撮っておくのがおすすめです。
家具の移動は、引きずりながら動かすと床を傷つけてしまうので気を付けて。ダイニングテーブルやソファなどの大きい家具は、一人で無理して動かそうとせず、複数の人と一緒にゆっくり持ち上げて移動させましょう。また、養生テープやガムテープを使って床・壁・天井の塗装をはがしてしまわないように要注意です。
スタジオによっては土足厳禁の所もありますが、モデルが履く靴は靴底にマスキングテープを貼って着用します。
≪昼食≫
午前から午後にわたる撮影は、ケータリングなどで全員分の昼食の手配が必要です。
≪退出≫
撮影終了後は片付けなどの後処理となります。特に重要な用事がないのであれば、クライアントは先に退出していただく方がよいでしょう。
≪支払い≫
スタジオレンタル料をはじめ、機材やその他使用料などの料金の支払いは、あらかじめ確認しておきましょう。初回利用は当日払いまたは事前払いのスタジオが多く、クレジット決済を取り扱っていないスタジオもあります。
ハウススタジオの料金について詳細を知りたい方はこちらへどうぞ
ハウススタジオ・撮影スタジオの料金ガイド
撮影内容が理解できれば、スタジオ探しやロケハン、スタジオの予約は難しくありません。都内には、多種多様な内装でコストパフォーマンスに優れたハウススタジオが豊富にあるので撮影に応じて使い分けることができるのが魅力。ハウスタ.comには種類豊富なスタジオが登録されているので、撮影のスタジオ探しにぜひお役立てください。
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