屋外ロケとは、屋外で撮影することをいいますが、屋内撮影と違いがあるのでしょうか。今回はハウススタジオと屋外撮影の違い、屋外ロケを行う時のチェックポイントや屋外でのポートレート撮影テクニック、屋外ロケでのハウススタジオ活用法を紹介します。
ハウススタジオのような屋内のスタジオで撮影する場合と屋外での撮影では大きな違いがあります。屋外ロケは、撮影するために作られたハウススタジオと違い、自然や周りの環境を相手にしながら撮影しなければならないからです。
屋外での撮影は、当日になってみると、想定外のことが必ずといっていいほど起きます。ハウススタジオではロケハンさえしっかりしておけば想定外の事はめったに起きません。起きたとしても対応できることがほとんどです。
屋外の撮影では想定外のことがが起き、何のトラブルもなく撮影が順調に終わるという事が珍しいくらいです。次のようなポイントをおさえ、何度もロケハンし、入念にチェックすることで、想定外の出来事を減らすことができます。
天気予報で晴れと予報されていても突然雨が降ったり、強い風が吹いて撮影に支障があることがあります。悪天時はハウススタジオで撮影するなど、想定している理想の天気にならなかった場合の代替え策を前もって用意しておきましょう。
ロケハンを入念に行っていても、当日ロケ地に行ってみると、急な工事で撮影ポイントが通行止めで入れない、観光客であふれ撮影できるような状態ではないといったことがあります。
季節によって太陽の高さ、光量、日の出、日の入り時間が変わってくるので、ロケハンからロケ日までに月日が経過していると撮影スケジュールの変更を余儀なくされることがあります。ロケ日直前に再度ロケハンするようにしましょう。また、寒さ対策や暑さ対策も必要です。草木や花なども季節で変わるので注意しましょう。
ロケ地への移動時間も考慮しておきましょう。大渋滞に巻き込まれ、ロケ地に着いたころには太陽が沈んでしまっていた、モデルの撮影可能時間が過ぎてしまっていたということもあります。撮影する曜日や渋滞が起こりえる時間帯を考えて移動スケジュールを立てておくようにしましょう。
トイレの確保も大事です。生理現象は避けられません。急な下痢もないとはいえません。また、長時間の撮影になる場合は、休憩場所も確保しておきます。夏の暑い時期や冬場の屋外ロケでは屋内の休憩場所も確保しておいたほうがいいでしょう。
ロケ地によっては撮影許可が必要な場所もあります。ロケ地が決まったら、必ず撮影許可の要・不要を調べて必要な場合はすぐに申請するようにしましょう。許可がおりなかったり、許可がおりるのに時間がかかる場合もあります。
その他
スチール撮影では問題ありませんが、ムービー撮影の場合は音の問題も考慮しなければなりません。ロケ日に工事現場の騒音や車の騒音で何度も撮り直しという事もあります。
屋外のポートレート撮影はハウススタジオの撮影と違い、光源は太陽のみです。太陽の光は場所を変えることができず、光量も一定ではありません。また、時間帯によって色合いも違います。こういった太陽の性質を意識しながら撮影しましょう。
カメラは一眼レフを使用し、レンズは焦点距離35mm~80mm程度の単焦点レンズを選びます。人間の視界に近いとされる50mmの単焦点レンズを選んでおけば使いやすく、構図も決めやすくなります。
光源である太陽の位置に意識し撮影します。メリハリがありコントラストが高い写真を撮影したい場合は、太陽の光をモデルの正面から受ける「順光」を選びます。「逆光」で撮影するとコントラストが低めで柔らかい感じの写真が撮れますが、顔に光が届かないためモデルの顔が暗くなってしまいます。
初心者の方におすすめなのは、「半逆光」です。半逆光はモデルの斜め後ろから太陽の光があたる位置です。顔にも程よく光があたり、立体的で柔らかい印象の撮影できます。
ISO・F値・シャッタースピード
ISO感度はAUTO、F値は単焦点レンズの場合、2.8~4あたりの低めに設定します。標準レンズや望遠レンズは5.6、シャッタースピードは250あたりに設定しましょう。
レフ板
晴れた日の屋外の太陽光は十分な光量はありますが、季節や天気、撮影する写真のテーマによってレフ板を使って光を補ってあげましょう。レフ板の選び方は関連記事「より綺麗な写真を撮ろう!初心者のためのレフ板の選び方」をご覧ください。
ハウススタジオは、次のような活用方法もあります。屋外ロケをお考えのときはハウススタジオの併用も考えてみましょう。
屋外ロケの想定外のトラブルで撮影が完了しなかった場合や思った写真が撮れなかった場合、写真のタイプによってはハウススタジオで撮影することができます。屋外ロケの代替候補として利用できます。
庭付きのハウススタジオ
庭やテラス、屋上が使えるハウススタジオも多く、屋外撮影が可能です。一般的な屋外ロケと違い、想定外のトラブルが起きにくいでしょう。撮影テーマに合ったシチュエーションが再現できるハウススタジオが見つかれば、安心して撮影に集中できます。
都内には数百のハウススタジオがあります。都内での屋外ロケであれば、最寄りにハウススタジオも見つかります。広さが限られたハウススタジオであれば格安で利用でき、休憩所や荷物置き場、トイレに利用する方も多く見られます。
屋外での撮影は、プライベートのスナップ程度の写真であれば気軽にできますが、商用撮影となると写真の精度や、納期限が求められます。何度も屋外ロケを繰り返し、経験を積むことで想定外のトラブルは減ってきますが、初心者にとっては思ったより敷居の高い撮影です。ハウススタジオとの併用も考慮して屋外ロケに挑んでください。
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